前回は上の写真のように、線を立てた所に色を入れていく過程でした。
そして焼きます!
最初は線の高さの3分の2あたりまで釉薬をいれて、甘焼きします。
あんまりいっぺんに釉薬を入れてしまうと、気泡ができるので注意です。
甘焼きというと曖昧ですが、表面が全部溶けきってしまわないうちに炉から出すことを言います。学校では「みかんの皮くらい」と教えられました。
全部溶けきっても仕上がりに問題はないのですが、甘焼きにしておいた方が 2回目の釉薬をのせるのが楽ちんです。
「花詩」の1番焼きをアップにするとこんな感じ。
表面がつるっとせず、みかんの皮っぽくなっているのがお分かりになりますでしょうか?凸凹凸凹
釉薬によって溶け具合が違うので、一カ所じゃなくて全体を見て判断します。
そして溶かしすぎるとせっかく立てた銀線が流れて台無しになってしまうの で、絶対に目が離せません!
そしてもう一度色を入れる作業をして、焼きます。
この2番焼きは1番焼きよりも強く焼いてつるっとさせます。
2回釉薬をいれても、線まで達しない箇所が多々あります。
この後研ぐ時に非常に困るので、このあともう一度釉薬をのせます。
そう、釉薬をもう一度のせると言っても色の釉薬ではありません。
透明の釉薬を一面に薄〜くのせます。あくまでも薄く。
でないと研ぐのが大変です。
毎回この行程で、無いとは思いつつも
「この釉薬が透明な釉薬じゃなかったらどうしよう」
という無駄な不安に襲われます。
焼き上がるとほっとします。
あぁ、透明な釉薬で良かったと・・・・
さあここから研ぎですが、あんまり代わり映えしないので、まとめてお送りします。
荒い番手の砥石から始まって、どんどん細かい番手にうつり、最後は光沢砥石で仕上げます。
表面の銀線が全部キラッと出ればOK。
とさらっと書いてますが、かなり時間 がかかります。腕が痛くなります。
徐々につるつるになってくのが分かりますでしょうか。
この「花詩」の場合は研ぎ上げて、ウイノールで銀をキラッとさせて終了です。
春光はここから焼き艶という方法で仕上げています。
ある程度まで研いだ後、金澄(金箔より厚いものです)を糊ではって、焼き付けつつ熱で表面をつやっとさせて出来上がりです!!
やっと出来上がりです。
なんかほとんど「春光」の制作過程というよりは「花詩」の制作過程になってしまった気がします。
でもでも有線七宝の行程は変わりないので、分かっていただけたと思います!!(多分)
有線七宝の他にも七宝には様々な技法があります。
ここでは少しでも七宝について知っていただきたく、色々ご紹介出来たらなぁと思っています。
私もまだやった事の無い技法が色々あるので、今後挑戦してみます。
その際はまたご紹介しますね♪
それでは!
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螢 (火曜日, 19 12月 2023 17:56)
とっても素敵です!有線七宝、一度体験する前にざっとした工程を知っておきたいと考えていたのでとても為になりました!背中の表現がとても綺麗です(^^)