さて今日は、普段どうやって制作しているのか
一部ではありますが、お見せしたいと思います!
先日展示した有線七宝の中から「春光」の制作過程をご紹介☆
今日は植線「線立てちゃうぞ!」編です。
有線七宝というのは、銅の胎(土台の事を胎と言います)の上に
ガラス質の釉薬を下地としてのせ、
その上にリボン状の銀線を立て(これを植線と言います)、
その中に色々な色の釉薬を入れ、焼いたものです。
今日はそんな有線七宝の中でも植線をご紹介。
銅板を切って、下地となるホーローを表と裏にかけます。
裏にも同じようにのせないと、銅板が反ってしまうので注意。
そしてまずは下書きをします。
ここでしっかり書いておかないと線が立てられません。
私はカーボン紙で下絵を写します。
そしていよいよ銀の線をのっけていくわけです。
銀が薄ーいリボン状になっているのがわかるでしょうか?
これをピンセットのような道具と、ちっちゃいはさみを使って、切っては曲げ、切っては曲げ。
下書きに合わせてのせていきます。
立てるときは、CMCという化学ノリを使います。
といっても、アロンアルファみたいにすぐくっつくわけではなく、
水っぽいノリなので、基本的には線自体が自立するように配置します。
そうして、地道に立てるとこうなります!!!
幾何学模様などは、同じ長さに銀線を切って下書きから修正します。
私は大好きなもの、美味しいものは最後に取っておくタイプなので、金魚の鱗は最後になります。
細かくて、ぎゅっとしているところは植線の中でもかなり楽しい所なのです。
出来上がった作品の表面は、研磨してつるつるになってしまうので、
銀線が埋まってることを気づいてもらえないこともよくあります。
有線七宝にとって、銀線は無くてはならないもので、
その線のおかげで、鮮やかな色達が不必要に混ざり合うことなく
存在できます。とっても大事な行程です。
今度七宝作品を見かけた時に、「お!銀線埋まってる埋まってる」
と思ってくださるだけでも、かなり嬉しいです。
光によってきらめく銀線も、また有線七宝の魅力の一つだと思います♪
以上、植線編でした〜♪
コメントをお書きください
田中 (金曜日, 30 8月 2013 00:15)
繊細でカラフルな色使いとても素敵な作品です。
私も七宝をしていますが、なかなか難しくていつか硝子胎七宝の立体に挑戦したいです。
奥 (火曜日, 26 11月 2019 20:40)
とても繊細で、素敵です。
本当に、ため息がでるぐらいに魅了しました。
これからも素敵な作品を作って見せていただけると、嬉しく思います。ありがとうございます!